2014年12月29日月曜日

クララ&タク瀬戸内海シーカヤック旅 クララ編 後半

旅の記録の後編です。前編はこちら

19日(金) アイランドホッパーズバトル
晴 北東の風

今日は天気ヨシ、海況ヨシ!張り切ってスタートしよう!
荷物をカヤックに詰め込んだら、穏やかな海へ漕ぎ出します。
今日からは本格的に島渡り。アイランドホッピングしながら進みます。
出艇前に帽子を探しているスキに、たくちゃんは先に出艇。
どうせだから、別のコース取りで進むことにしました。
朝が弱いのは、おうちの布団でもテントの寝袋でも同じようです。
まずは約5km沖に浮かぶ走島。コンパスで角度を見ながら進みますが、あまりに天気が良くて
島がくっきり見えているので、そんなに遠くに感じません。
鼻歌口ずさみ、ルンルン気分で漕いでいきます。気分最高です。

飛島、真鍋島と狙った岬をつないでいきながら漕いでいたその時、アイツが現れました。
左の水平線の奥、大きな工場地帯の方向から、茶色い巨大な塊が近づいてくる!
巨大な貨物船だ!さらに右からもう一隻!
本気漕ぎで2隻の大型船をかわし、一安心。やっぱり大型船の航路は油断できないぜー。
さぬき広島にてタクちゃんと合流。彼も大型船とのバトルを繰り広げたらしい。
さぬき広島のお隣、本島へ渡ってキャンプ地探し。
瀬戸内海の島は、伊豆に比べてビーチが多いので、上がるところには本当に困らない。
でも、小さいビーチが多いので、満潮になると・・・。気をつけてー!
奥に見えるは瀬戸大橋。でかい! 夜景もきれいでした。
テント泊生活も馴染んできて、勝手に快適度があがってくる。
狭いながらも幸せ我が家。

宿泊 本島(香川県)
漕行距離 45km
潮まわり 中潮 09:40 316cm 15:43 122cm (香川青木)

20日(土) オシャレカヤッカー ニヤニヤ編 
雨ときどき曇り 北東の風

夜半から雨が降り出し、雨粒がテントを叩く音がひびく。
もう、雨ぐらいではリアクションしません。普通です。
すぐ目の前は本線航路。夜も朝も大型船がせっせとお通りになっておられる。
向かい側の与島には「見張り励行」なんて書いてある巨大な電光掲示板が。
見張りのヒト、お願いしますよ・・・。
幸い、この横断では大型船が来ることなく通過。ほっと一息。
瀬戸大島をくぐったら、この旅最長の島渡りにチャレンジ。大槌島へ7.3kmなにもなし!
目標の大槌島は遠くに・・・ん?ぼんやり見えるけど、あれのこと?
ダイジョウブかしら・・・。
ここでタクちゃんとはお別れ。彼は北よりの岸沿いを行くらしい。今夜は泊る所も別々なのです。
広ーい海だけど、今日は視界が悪いうえにザブザブ気味。
見える範囲に神経を集中して、方角、風向き、波の向き、他の船の行き来を確認しながら進む。
手や指の大きさを使って距離を測ったり、島の位置関係で自分の位置を確認したり
ひとつひとつの動作がイチイチ楽しい。フードの中はニヤニヤが止まらない。
いいぞ、危ないヒト感が出てきたが、とってもいいぞ。ニヤニヤ。
だんだん大槌島が大きくなり、生えている植物の様子がわかるようになってくる。
後ろに見えていた室木島はぼんやりかすんでいる。
着いたー!断崖絶壁に囲まれた孤島を想像していたら、いやはやなんの。
ステキなビーチがある、かわいい島でした。天気がいい日にまた来たい!
次の目標は直島の約1km手前にある帆掛石。
帆を掛ける石だから、さぞかし立派な岩だろうと想像していたのに、
実際は小さな岩場でそこにはミニ灯台が据えられていた。
帆掛石へ向かう途中、だんだん潮の流れが強くなってきて、西から東へ流されていた。
北東をめざして漕いでいたのに、目標に向かうのがどんどん北よりになっていく。
恐るべし、潮の流れ。これに逆らうのは大変だ~。
アートで有名な直島、ここでは北よりの風に悩まされた。
左スウィープをひたすら繰り返し、風裏へと逃げ込む。
ここらでようやく海上昼ごはん。朝タッパ―につめたパスタをかきこむ。
天気は雨で気温も低くて風も吹いてる冬の海の上で、パスタ。うーん、オシャレ。
オシャレパスタランチ、意外とうまいんです。雨でも味は薄まりません。
直島、豊島を過ぎると、かすむ視界の向こうに小豆島が!
けっこういきなり見えるようになって、最初は本州か四国のどこかかと思った。
でかい。ラスボス感ハンパない。
ラスボスに上陸し、ビーチ前のオシャレカフェ「たこのまくら」にて
薪ストーブで暖まらせていただきました。幸せ~。
さらに、小豆島在住の友人に温泉に連れてってもらい、幸せ~。
キャンプもここ数日に比べれば暖かい方で、寝袋の中で、幸せ~。
この幸せを、どっかのビーチでワイルドにキャンプしている相棒タクちゃんに
自慢しようとしたら、彼は風呂どころか、室内で寝てたらしい。・・・悔しくないもん。

宿泊 小豆島(香川県)
漕行距離 45km
潮まわり 大潮 10:19 195cm 16:12 95cm 21:07 155cm (香川入部)

21日(日) 開けゴマ!
晴 西の風強い
本日の目的のひとつめは、たくちゃんと合流すること。
ここ小豆島で合流して、明日高松へアタックする予定だ。
合流するといっても、携帯が壊れているのでなかなかうまくいかない予感・・・。
豊島から来るタクちゃんと比べれば、朝は余裕がある。
海岸ティータイムと決め込めば、お散歩中の島民の皆さんから話しかけられまくり。
なんとも穏やかな朝で、このまま高松まで行けちゃうんじゃない?!なんて考えたり。
今日は西風吹いてくるはずなんだけどなぁ・・・と思って岬をまわると、やっぱり吹いてました。
西へ漕ぎながらタクちゃんを探すものの、いない。行けども行けどもいない。おかしい。
こりゃもしや、豊島から小豆島へ渡る途中、西風にあおられて沈でもしたか・・・。
しかし、携帯に連絡が入り、どこかですれ違ったらしい。ど、どこで~?!
しかたなく方向転換。追い風に乗って、波に乗りながら今来た海を引き返す。
どこですれ違ったか、まったくわからなかったけど、ともかく池田で合流することに。
とりあえず、今日も明日も風が強いので、作戦会議と決め込もう。
再び、おしゃれカフェ「たこのまくら」へ。
カフェたこのまくらは、自然舎というシーカヤックガイドショップの山本さんが今年開いたカフェ。
忙しいながらも、小豆島周辺の情報や、高松への横断アドバイスをいただいた。
ありがとうございました!
おいしいカレーとお茶で体を温め、今日と明日の作戦会議。
明日はさらに西風が強くなりそう。そこで、小豆島より西の豊島か直島から渡ることにした。
そのために、今日はなるべく小豆島の西よりに泊まっておきたい。
そうと決まれば漕ぎ出すのみ!小豆島の中心部を目指す。
通過したのは、ギネス認定!世界一狭い海峡「土渕海峡」
ほぼ、川です。東京の運河を思い出しましたが、運河よりもなんだか町が近い感じ。
ほのぼのしてていい海峡でした。ただ、海峡の向こう側から吹いてくる風が尋常じゃない予感・・・。
もうひとつ気になっていたのが、小豆島に来た時から匂っていた、香ばしい香り。
なにか豆を炒っているような、とってもいい香り。
醤油が有名だから、大豆かなぁ?なんて言ってたけど、
その香りが土渕海峡をすぎてだんだん強くなってきた。
あれは!でかでかと描かれた、油のビンの絵。ごま油で有名な角屋の工場だ!
ごま油もすごいが、海峡を通過して土庄港に入ったら、西風がハンパない。
ガンガン風と波が港へ入ってくるし、外海は波が高くて真っ白だ!こりゃ無理だ―!
土庄港のわきの砂浜へ上陸して、高松への横断はあきらめなきゃなさそうだと確認。
指差す方向は・・・高松の方向、じゃないな、これは。
帰ったら真っ先にごま油を買いに行くことを心に決めた。
残念ながら、その日の夜のフェリーで高松へ渡ることにした。
お世話になった小豆島の友人と夕食を食べ、最終フェリーに飛び乗る。
 高松へ渡るフェリーから、真っ暗な海を眺めて、渡りたかったねーとタクちゃんと話す。
フェリーに乗ったからには、言い訳できないくらいもっと荒れろ!なんて思ってません。ホントです。
が、一日はそう簡単に終わらない。高松港に夜9時過ぎに到着。
そこから電車に乗り、夜の街を歩き、車を回収してカヤックを取りに戻るころには
夜の11時を過ぎていた。
あんまり漕いでないのに疲れたー!

宿泊 道の駅源平の里むれ にて車中泊(香川県高松)
漕行距離 25km
潮回り 大潮 04:27 22cm 11:23 222cm 17:35 101cm (高松)

22日(月) ザブザブうず潮祭り
晴れ 西の風強い

寒い。どういうわけだ。テントじゃなくて車中泊なのに、寒いじゃないか!
びっくりするほど寒いけど、ボヤボヤしる場合じゃない。四国を満喫せねば!
そそくさと起きだして鳴門へ向かう。
今日の目的はひとつ!瀬戸内海最強の潮流にカヤックで突っ込む!
・・・わけはなく、遊覧船から見てみよう!
まずは鳴門でシーカヤックツアーを行うHORIZONへ。
ガイドの尾崎さんから鳴門情報をいろいろ教えていただく。
鳴門情報やサイクリングツアーのお話もいろいろ聞かせていただきました。
ありがとうございました!
今日の渦潮の最大はお昼ごろ。さっそく尾崎さんに教えてもらった観潮船に乗り込み、
ビュービューと風吹く海峡へと出発!
海峡は、荒れていた!潮流でぐるぐるに渦巻いた上に、風波が押し寄せてくる。
海峡を境に海に段差ができていて、流れの強さがよくわかる。
こいつはやべー!予想以上の荒波にちょっとビビる。
船が揺れるたびに船内は大騒ぎだけれど、サングラスをかけた船員さんがどんなに揺れても
どこにもつかまらず微動だにしない。すごすぎる。海の男は違うぜ!
最強のうず潮を体験し、がぜんやる気になった我々は、鳴門の内側、ウチノ海へ。
風をよけてのほほんカヤックかと思いきや、ウチノ海と外海をつなぐ堀越海峡が白く波だっている。
近づいて見るとびっくり!外側の瀬戸内海から、ものすごい勢いで水が流れている。
ここは川か?!と思うくらいの流れ。
リバーカヤックを思い出し、フェリーグライドやエディキャッチで遊ぶ。
シーカヤックでやると迫力が違うぜ―!おもしろすぎる!!
ざぶざぶと潮流で遊びまわり、短いながらもカヤックに乗れました。

漕いだらお風呂!
鳴門のレトロな銭湯で塩を洗い流し、鳴門名物の鯛とワカメで旅をしめました。
ちょうど冬至の次の日。ゆず湯でほっこり暖まりましたー。

宿泊 山陽自動車道 淡河PA にて車中泊
漕行距離 5km
潮回り 大潮 04:57 -1cm 12:31 135cm 17:55 91cm (徳島孫崎)

15日に伊豆を出発して、23日の夜に帰りつく、合計8泊9日間の旅でした。
キャンプ5泊、車中泊3泊。

総漕行距離 シーカヤック150km + サイクリング36km

旅の間、たくさんの人に出会い助けていただきました。
特に、
鞆 村上水軍商会、村上さん
小豆島 自然舎 山本さん
小豆島 水島さん
鳴門 HORIZON 尾崎さん

瀬戸内海に送りだし、車の回送をしていただいた我らがボス、武田仁志さん
旅の相棒、タクちゃんこと加鹿拓巳君
ありがとうございました!

さて、次はどこに行こうかなー?!
 

クララ&タク瀬戸内海シーカヤック旅 クララ編 前半

みなさんこんばんは。サーフェイススタッフ、クララこと倉原卓也です。
猿、じゃなくて去る12月15日~23日、同じくスタッフのタクちゃんこと加鹿拓巳君と
瀬戸内海にシーカヤック旅に出かけました。
その旅のレポートを加鹿、倉原がそれぞれアップしました。

タクちゃんのレポートはこちら
漕行ルートをグーグルマップで見ることができます。こちら

ここから、クララレポートのはじまりです。
前半と後半に分かれており、そこそこ長いので、帰省中の電車の中で、
お正月のヒマつぶしに、お仕事のおサボり時間にごゆっくりどうぞ。
全ルートマップ。だいたい、瀬戸内海の真ん中から東側を漕いだ感じです。


世間は師走を迎えあわただしくなり、冬の風が日本中を吹き荒れます。
こんな時期にどこか漕げるところはないかと考えたら、
あるじゃないですか!日本が誇る巨大な内海、瀬戸内海!
冬の西風でも漕げるに違いない。そう確信し、一路広島へと車を走らせたのでした。

15日(月) GO WEST!
お昼ごろに伊豆を出発。まず目指したのは広島、厳島神社のある宮島。
が、しかし。爆弾低気圧が日本列島に迫っており、火曜・水曜は漕げるか怪しい。
というわけで、漕げないことを考慮して、スタート地点を100km以上手前側の尾道に決定。
走る事、約10時間。夜11時過ぎの尾道の街でまだ開いている居酒屋を発見し、
尾道グルメで壮行会。とりあえず、尾道ラーメンが超うまいということはわかった。

16日(火) 雨がデフォルト 
雨のち曇り 午後西の風やや強い

車中泊の車内で目覚めると、強めの雨。いつも通りです。
とりあえず、水曜日に襲来するであろう爆弾低気圧に備え、停滞できるキャンプ場を探す。
しまなみ海道の一番尾道側の島、向島にキャンプ場があって、素敵なビーチもすぐ隣。
そこにベースキャンプを張ることにした。
車を回送してくれる我らがボスに別れを告げ、とりあえず昼ごはん。
あずまやを一歩出ると、けっこうな雨なので、なかなかやる気スイッチがオンになりません。
九州にいたころ良く食べていた「うまかっちゃん」を食べて、西に来たことを実感。
雨もやんできたし、この数日間のウォーミングアップがてら出艇。
斜面にカメラを置いてセルフタイマー。テンションは高めです。
初めての瀬戸内海にドキドキ。
キャンプ場近くの因島大橋めがけて漕いで行く。
ちなみに、ちょっとシャレた写真はだいたいタクちゃん撮影です。
橋の向こう側から風が吹き出してきているけど、橋、でけー!
伊豆半島では見たことない巨大建造物にビビりました。
橋の下にくると、そのデカさがよくわかります。
この後巨大な貨物船がこの橋の下を通って行きましたが、余裕の高さがありました。
この日のために準備した装備もあるので、その確認もできました。
テンションは高いが気温は低い。
他の宿泊者は誰もいないということで、寒さに備えて炊事場の中央にテントを張らせていただく。
ちょー風が吹いてきたが、一応、風がよけられた。
まあ、一応、って感じですが・・。
そして、夜にかけて風は暴風へと変わっていったのでした。。。

宿泊 尾道マリン・ユース・センター(広島県)
漕行距離 7.5km マリンユースセンター~因島大橋 往復
潮まわり 長潮 06:03 244cm 11:42 131cm 18:01 275cm (尾道)

17日(水) 尾道オシャレサイクリング
雪 西の風強い 時々吹雪

寒い。寒すぎる。どういうことだ。
暖かく漕げる予定の瀬戸内海に俺はいるんじゃないのか。
暗闇のテントの中で何度も寝たり起きたりを繰り返し、やっと明るくなってきた。 
テントのジッパーを開けると、白いものが舞っている。どういうことだ。
浜辺に置いてあるカヤックを見に行ってみる。浜辺が白い。どういうことだ。
とりあえず、テントに戻り、お湯をわかし、朝飯を食べて落ち着く。が、寒い。どういうことだ。
一応、出艇して先へ進むか悩んだものの、却下。
キャンプ場で自転車を借りて、しまなみサイクリングへ変更。
天気は晴れたり雪だったり吹雪いたり。写真は晴れて気持ち良さそうですが、
風はガンガン吹いており、海の上は真っ白。
決していい天気ではないですが、カヤックよりは快適。ガンガン走りカラダを温めます。
昨日下を漕いだ因島大橋を今日は自転車で見物し、大都会尾道へ。
向島からは尾道へは、100円で乗れる渡し船。
住民の足らしく、おじいちゃんおばあちゃんから通学の学生たちまでたくさん乗っていました。
これがまた楽しい。
都会に来たなら、食べ歩き!尾道グルメを堪能しました。広島県といえばお好み焼きだ!
気軽に入ったお店で、頑固そうなオヤジさんが
「おう、初めてか。うちは箸は出さんぞ」 と、おっしゃる。
は?箸が出ないってどういうこと?
「これや」と言って差し出したのは、小さなヘラ。なるほどー!
頑固オヤジのお好み焼き、ちょーうまかったです。
自転車屋さんのキレイなお姉さんとお話して、尾道情報をいろいろ伺っていると、
気づけば夕暮れ。そして、吹雪。や、やばい・・・。
急いで向島のキャンプ場へと戻ったのでした。

宿泊 尾道マリン・ユース・センター(広島県)
漕行距離 36km(自転車)
潮まわり 若潮 07:27 260cm 13:09 134cm 19:11 274cm (尾道)

18日(木) 広島カヤックパラダイス
晴 西の風やや強い

それはそれは寒い2日間を乗り越えて、やっと漕げる日がやってきた!
まだ風は強いものの、それは追い風。我々を助けてくれるはずだ!
マリンユースセンターを出発し、風が比較的強い沖を避け、岸に近い島伝いに進む。
加島、百島、田島と島をつないで行く。距離は短いものの、伊豆では味わえない感覚。
ニヤニヤしてきたぞぉ~!
これも伊豆ではあんまり見ない、海に浮かぶ光るブイ。
この近くにいると、ちょっと安心。
普段見慣れない縮尺の大きな地図と、景色を見比べながら漕ぎ進む。
風をよけて島影に入れば、静かな海とキレイなビーチ。大きな橋をくぐったら
無人島がぽっかり浮かびます。パラダーイス!
シーカヤックに最高な条件が次々と現れます。
阿伏兎ノ瀬戸を通り抜け、いざ、鞆の浦を目指します。
瀬戸内海は満潮時、干潮時に大きく潮が動くことでも知られます。
阿伏兎ノ瀬戸も時間によってはすごく流れるらしいのですが、静かな時間に通れました。
おかげで、瀬戸の上の断崖絶壁のお堂もゆっくり見れました。すごいところにあった!
今日の目的地は、「鞆」という町。とも、と読みます。
むかーし昔から、潮の変わり目を待つ潮待ち港として栄えた歴史を持ちます。
そんな鞆の向かい側の無人島、仙酔島へ上陸しました。
お昼を食べて、キャンプ適地を捜索。
オーシャンビューの素敵な場所にテントを張り、一安心。
仙酔島の国民宿舎でお風呂に入ったら、歴史の街へと探検に出かけましょう。
鞆の町では、カヤックガイドをされている村上水軍商会の村上さんに出迎えられ、
この先の瀬戸内海情報をいろいろ教えていただきました。
潮の流れ、大型船の通る航路を横断する方法などなど、とっても役にたちました。
ありがとうございました!
楽しいお話をしていると、時間もあっという間。テントに戻らねばなりません。
星空と遠くに見える島の明かり。なんとも贅沢な夜でございました。

宿泊 仙酔島(広島県)
漕行距離 23km
潮まわり 中潮 08:17 299cm 14:13 134cm 20:05 309cm (鞆)

前半はここで終わります。

2014年12月26日金曜日

2014.12.15-22瀬戸内海カヤックトレーニング後記 加鹿編

私たちは普段、伊豆半島でシーカヤックガイドをしていますが、
冬の西風が吹くととても海に近づけません。
そこで、瀬戸内海なら漕げる!という話を聞きつけ いざ出陣。
来たる12・15
かねてカヤックカー達の為にあるのではないかと言われるほどの瀬戸内海
大小全て含めると3000もの島があるらしい、そしてその昔、船での商業が盛んだった頃
名だたる船頭、海賊達が,航海し、そして今もなお大型船が行き来している。

私たちは7日間漕ぐに当たって、出発地を広島県厳島神社に決め車を走らせました。
そして到着地点を香川県高松市の屋島に決め約200km以上を漕ぎ抜きます。

が・・・行きの車内で天気図を見て仰天 なんと翌日から爆弾低気圧がいらっしゃるとのこと
 何日間か停滞が予測されるので厳島の牡蠣は諦め、尾道の牡蠣にすることに
ということで出発地が広島県尾道市の向島のキャンプ場からスタートです。


*1日目は昼過ぎにキャンプ場に到着



荷物を降ろし、軽めに島の周りをちょろっと回ります。明日からが本番だ。



*2日目 『雪の街 尾道』 雪 暴風 




朝起きてびっくり、雪です。漕ぐかどうか一瞬だけ迷い、停滞を決意。
何しようか迷いましたが、ここはしまなみ海道。島ごとに自転車が借りられ、しかも何処に返してもよく、しかも1日500円とお安くなっています。
よしっ 自転車だ。
ということで因野大橋から尾道の街中と雪の中走り抜きました。
牡蠣に広島焼きに、前日に尾道ラーメンと尾道3部作頂きました。
ちなみに滅多に雪なんて降る土地ではないようです。

向島キャンプ場→向島キャンプ場  36km

*3日目『タイムスリップ鞆の浦』 晴れ 西風7-8m 若潮



今日はカヤックするぞ! と朝一テントをしまいましたが、未だ西風止まず。
が昨日程ではないので本州沿いに鞆の浦までは行けるだろうとのことで
不安と期待の心中で出発。
瀬戸内海ではうねりは無いが潮流があると、聞いていたが、結局漕いでみないと判らない。
鞆の浦まで西風の影響少なく行けた。
潮流は普通に漕いでる分にはよく分からない。が瀬戸と呼ばれる流れの早い場所だと感じる程度でした。
その夜、村上水軍の村上さんにお話を伺いに。
瀬戸内の海のルールや海の特徴、カヤッカーとしての心持ち、冬はきついよね話などを
伺い、大変参考になりました。

向島キャンプ場→鞆の浦 仙酔島  23km

*4日目『THE DAY』 晴れ 西風 2-3m 中潮



今日は最高だーとできるだけ早く出発したいのですが、5時半に起きても朝飯食べて
撤収、パッキングとしているとなんだかんだで7時を超えてしまう。
今日は単独でのツーリング 自分の行きたいところへ気の向くままに、自分のペースで進んでいくがそれに伴い風、波、潮、大型船などの要素を体で感じながら、自分の技量に合った道なき道を
選択していく。 それが楽しいのです。
瀬戸内海は真ん中で潮流の向きが真反対に変わる分水嶺が広島と岡山の県境にあるのだけど
正直なんとなくしか分からなかった。 時間帯も大いに関係していると思う。

鞆の浦 心酔島→香川県 丸亀市 塩飽諸島 本島  42km

*5日目『ずぶ濡れの子犬』雨 北東風4mのち西風5m 大潮



朝一番、瀬戸大橋を超えるに当たって本線航路を渡ることになるがまず船の大きさに驚く
あの船から見たカヤックなんて落ち葉のゴミ程度だ。絶対認識されていない。と思ったが
以外と見えているらしいしかなりの徐行だ。
けれど怖いので右見て左見てまた右見てとなかなか決心がつかないが、出発したら本気で漕ぐ。
村上さんにちゃんと後処理をすれば焚き火をしても良いと聞いたので、今日はワイルドに
焚き火の出来そうな場所を探しながら行く。
時間とキャンプ地を天秤にかけながらまだ先に良い場所があるはずだと選択していく
そして時間は少し早かったが豊島に決めた。そこは昔のリゾート地のような場所で
完全に廃業していると思っていたら(本当にすみません)、テントを立てている最中に、リゾート地の管理者が現れ、今年で廃業になるらしい、つまりまだやっていたのだ。(本当にすみません)そしてずぶ濡れの子犬の私を見て、部屋を貸してくれると言いました。
『へっ!?』その瞬間私のワイルド心は浄化され、暖房の効いた部屋で『有線大賞』を楽しみました。(後日お礼しました)
 人生と同じで何かの因果で自分の選択した以外の道も行ってしまうこともあるのですね。
まあ それも良しということにしましょう。

塩飽諸島 本島→ 香川県 直島諸島 豊島  35km

*6日目 『すれ違いの恋』晴れ 西風7-8m 大潮



今日は室内スタートですので朝早くに出発。(それでも7時ちょい前)念願の
『朝日を海の上で拝む』を行い(大変神々しい景色でした。)西風に押されながら
小豆島を目指します。5目になると潮と風の関係を理解しました風と潮の流れが逆だと
ギザギザの波が立ち、更に潮と風の強弱によって波の大きさが変わります。
すなわち風が小さくても潮が速く流れていると波が立つようです。
朝、相棒から小豆島の鹿島という浜で待ち合わせになっていたのですが、一向に来ないので迎えに行くことに。行けども行けども相棒は現れません。
すれ違ったのです。  
自分の事ばかり考えていてはいけません もっと利他的にならないと。
まあすぐに合流し小豆島のカヤック屋さん自然舎さんの経営するカフェで
『おひるねカレー』を頂きすっかり夢心地。
午後はギネス認定 世界一狭い海峡 土渕海峡(幅9、93m)を渡りフェリー乗り場まで漕ぎました。その間ずっと香ばしい匂いが漂い、匂いの元に誘われます。
海峡の先に現れたのはみんな大好きごま油製造工場。 
作戦会議の末  明日西風が強まりそうなので、四国へ渡るのは無理だと判断し
その夜フェリーで高松へ渡りました。
高松の夜景が近づいてくるにしたがってここをカヤックで渡りたかったなーと悔しくなりましたが時間が限られているので、ごま油の香りだけが鼻に残り、この恋は実りませんでした。

直島諸島 豊島→香川県 小豆島 ごま油工場 28km

*7日目『渦潮トランス』晴れ 西風10m 大潮


せっかく瀬戸内海に来たのだから満潮と干潮の差が一番開いたときが徳島県鳴門で見られるということで、鳴門へ。情報を聞きに鳴門でカヤックガイドをされているホライズンの尾崎さんに会い
潮流の事や海のポイントを聞くが一番興味深かったのは、ミニベロという折りたたみ自転車のことで、値段の良いものになると持ち運びに長けているし、タイヤの割に速度も出るし、尾崎さんは1日100kmぐらいは漕ぐという。街中、島など持ち運びながらツアーをするらしい。
ほ、欲しい。
それはさておき渦潮の最高潮流時間に合わせ、観潮船なるものに乗り込む
まず潮と風だけでこんな波が立つのかーと驚いた。(波乗りできるほど)
そんな中渦潮の中に30人乗り程の小型船で突っ込む。
風はすごいし、渦がどこだか分からないぐらい荒れてるし、海に段差はあるし、阿波踊りの音楽がボリューム大でかかっているわで完全にトランス状態になり、素晴らしいところです。
その後鳴門市ウチノ海にある堀越海峡に移動
ここでは潮の流れがカヤックで体感できるということで近くの漁村から出艇し、1km程漕ぐと
橋の下白波が見える、流れとるー
そこで小一時間遊んだのでした。
後にそこは船の通る所なのでささっと通らなければいけない場所らしい。
その日は海が荒れていたので偶然船が通らなかったようです。

徳島県 鳴門市 ウチノ海 撫佐→堀越海峡   2km

全漕行距離 130km  
広島県尾道市向島→香川県小豆島 + 徳島県堀越海峡

自転車走行 36km 
広島県尾道市向島→尾道市街

・村上水軍商会 村上さん ・自然舎 山本さん ・小豆島 水島仁さん ・豊島 錦戸さん
・ホライゾン 尾崎さん
ちょっとした情報でも安心、期待しましたし、楽しいひと時は貴重な思い出となりました、
大変お世話になりました。ありがとうございました。

今回決められた時間の中でどこをどう漕げるか、少しずつ情報を集め地図上で仮想的に漕ぎ
実際に海に出て答え合わせをする。ただそれだけのことだけれど実際に行ってみると、
気温の変化、着る服、飯の種類、キャンプの場所、体調、潮の動き、船の大きさなど数え切れないほどの要素が複合的に関係し、とてもひとつひとつを完璧になんてやっていられなくなる
そこで諦めていく作業も大事になってくると同時に我慢も必要になってくるこの作業全てひっくるめて『旅』になる。
なんだか大変そうに書いてしまったが、誰でも自分の身の丈に合った旅をすれば良いと思うし、
なにしろとっても楽しすぎる。ので『旅は最高だ』と言いたいです。
今回のトレーニングの企画を受け入れてくれると同時に手厚いサポートをしてくれました。
武田正志さん 今回一緒に漕いだ相棒の倉原卓也君



ありがとうございました。 加鹿 拓巳